「最近、給料は少し上がったはずなのに生活は楽にならない」そんな感覚を持っている方は少なくないのではないでしょうか。実際、近年は賃上げのニュースを目にする機会が増えています。しかし、同時に食品や光熱費、日用品などの価格も上昇しており、家計への負担は以前より大きくなっています。そのような状況の中で、「家計を見直そう」と考える方も増えています。ただ、FPとして多くの相談を受ける中で感じるのは、家計簿をつけたり、節約を頑張ったりしているにもかかわらず、お金が貯まらない家庭が少なくないということです。なぜでしょうか。今回は、物価高時代だからこそ考えたい「家計見直しの本質」についてお伝えします。なぜ家計簿をつけてもお金が貯まらないのか家計改善と聞くと、まず家計簿を思い浮かべる方も多いでしょう。最近では家計簿アプリも充実しており、自動で支出を記録してくれる便利なサービスも増えています。しかし、「毎月きちんと家計簿をつけているのに貯まらない」という声も少なくありません。その理由の一つは、家計簿が“振り返り”で終わってしまっていることです。月末になると、今月は使い過ぎた外食が多かったコンビニ利用が多かったという反省はできます。しかし、それだけでは家計は変わりません。家計簿は過去を見るための道具ですが、家計改善には未来を見る視点も必要です。家計見直しの第一歩は「年間予算」を作ること家計相談で意外と多いのが、毎月の収支は把握しているのに、年間でいくら必要になるのかは分かっていないケースです。例えば、固定資産税自動車税車検代進学費用旅行費用家電の買い替えなどは、ある程度予測できる支出です。にもかかわらず、毎月の家計だけで管理していると、「急な出費だった」と感じてしまいます。本来は急な出費ではなく、来ることが分かっていた支出です。だからこそ、昨年1年間の支出を振り返り、年間予算を立てることが重要になります。キャッシュレス時代に家計管理が難しくなった理由近年、家計管理を難しくしている大きな要因があります。それが、キャッシュレス決済の普及です。現金中心だった頃は、財布の中身を見ることで残高を把握できました。ところが現在は、クレジットカードスマホ決済電子マネーが主流になっています。便利になった一方で、「今いくら使ったのか」が見えにくくなりました。給料日なのにお金が残らない理由最近よく聞くのが、「給料が入ったと思ったらカードの請求で消える」という悩みです。給与が振り込まれる。↓先月使ったクレジットカードの支払いがある。↓残高が思ったほど残らない。↓不足分をまたカードで使う。↓翌月も同じことが起きる。この繰り返しです。昔は「自転車操業」と言われた状態ですが、今ではキャッシュレス決済によって気付かないうちに似たような状況になっていることがあります。「収入−貯蓄=支出」がうまくいかないケースもある家計管理の基本として、収入−貯蓄=支出という考え方があります。先に貯蓄分を確保し、残ったお金で生活するという方法です。もちろん非常に有効な考え方です。しかし、キャッシュレス決済を多用していて、支出の把握ができていない場合はどうでしょうか。先に貯蓄したつもりでも、後からカード請求が来るため、実際には支出管理ができていないケースもあります。つまり、先取り貯蓄だけではなく、支出そのものをコントロールする仕組みが必要なのです。物価高時代に実践したい家計管理のポイントでは、どのように管理すればよいのでしょうか。年間予算を作るまずは年間の支出を把握します。月単位ではなく、1年単位で家計を見る習慣が重要です。キャッシュレス利用額の上限を決める便利だからこそ、ルール作りが必要です。例えば、食費は月○万円まで日用品は月○万円までなど、利用上限を決めるだけでも大きく変わります。利用額を定期的に確認するカード会社やスマホ決済アプリでは、利用額をすぐ確認できます。翌月の請求額を見るのではなく、今月いくら使っているかを確認する習慣をつけることが大切です。家計見直しの目的は「節約」ではない家計見直しというと、我慢や節約をイメージする方もいます。しかし本来の目的は、お金を使わないことではありません。教育費を準備する老後資金をつくる旅行を楽しむ転職や独立に備えるなど、将来の選択肢を増やすために家計を整えるのです。そのためには、目先の支出だけでなく、人生全体のお金の流れを見ることが欠かせません。物価高時代だからこそ資産形成も考えたい家計管理だけで物価高を完全に解決することはできません。実際、物価上昇のスピードに収入の増加が追いつかない業種や家庭もあります。だからこそ、家計を整えたうえで、少額からでも資産形成を始めることが重要です。ここで大切なのは、無理をして投資をすることではありません。まずは家計の土台を整え、継続できる範囲で将来への準備を始めることです。まとめ|家計見直しは「記録」ではなく「設計」家計簿をつけることは大切です。しかし、家計簿をつけること自体が目的になってしまうと、家計は改善しません。本当に必要なのは、過去を振り返ることではなく、未来を見据えて設計することです。年間予算を立てる。キャッシュレス時代に合った管理方法を持つ。そして将来の教育費や老後資金まで視野に入れる。物価高が続く今だからこそ、「何に使ったか」だけでなく、「これからどう使うか」を考える家計管理が求められているのではないでしょうか。参考資料・厚生労働省「毎月勤労統計調査」・社内ミーティング内容この記事は、これまで作成された「家計簿は『記録』から『予算』へ」「新社会人の一人暮らし」「教育費が不安な家庭へ」と非常に相性が良いため、記事内で相互リンクを設置するとSEO効果が高まります。。